米国レジデンシーアプライに必要な推薦状(LOR: Letter of Recommendation)について考える

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US Residency Applicationの第3弾は自己推薦文と同じく超重要書類である推薦状(LOR: Letter of Recommendation)について説明していきます。レジデンシーへのアプライを考えている場合は、誰に記載してもらうのか、時間をかけて戦略的に準備する必要がある書類ですが、日本人には馴染みの低いシステムですし、準備に苦戦する人は多いと思います。米国レジデンシーに必要な書類の一覧についてはUS Residency Application①〜応募に必要なもののまとめ〜をご参照ください。

マッチングに必要な推薦状(LOR)とは?

アメリカ社会では、レジデンシーのマッチングだけではなく、入学試験などでも基本的に推薦状が必要となります。例えば、米海軍病院(USNH)のFellowship Programにアプライする際は2通用意する必要がありましたし、US Residency Applicationでは最低3通(プログラムによっては2通や4通というところもあります)の推薦状が要求されます。

海軍病院へのアプライの場合は、特別な事情(よっぽど高名な先生であったり、あるいは海軍のシステムの中で働く指導医からの中身の良い推薦状)を除けば、誰が書いたのかや、内容については(内容がよっぽどひどくない限りは)結果にあまり大きな影響は与えないと思います。しかしながら、レジデンシーのマッチングにおいては、誰にどのような推薦状を書いてもらったか、というのは非常に大きな意味を持ちますので、可能な限り強い推薦状を手にいれるべく努力すべきだと思います。家庭医療のレジデンシープログラムでは、少なくとも1通は、現在米国のシステム内で働いている家庭医からの推薦状が要求されることが多いです。

誰に書いてもらったか?

私は合計4通の推薦状を用意しました。
・USNH Yokosuka 時代にお世話になったプログラムディレクター(皮膚科医)
・USNH Yokosuka時代にお世話になった家庭医の先生×2
・日本の現在働いている職場の上司

自分をよく知るアメリカ人医師からの推薦状を複数手にいれることができるというのは、USNHで働くことで得られる大きなメリットです。自分の場合はUSNHでの勤務を終了してから、実際にアプライするまで1年以上のブランクができてしまったのですが、USNHにいる間にプログラムディレクターと指導医の家庭医の先生には、推薦状について相談していました。推薦状が必要なタイミングにその先生が忙しくて(海軍の医師の場合、一度航海に出るとしばらく連絡が取れないこともあります)推薦状を書いてもらえないというリスクを避けるために、自分がUSNHにいる間に「Draftだけでも書いて欲しい」とお願いしたのですが、「本当にアプライする時にはちゃんと書くから、その時に連絡してくれ」と言われており、最終的に推薦状のお願いをしたのは2020年の7月頃でした。結果的には、連絡を取った後、わずか数週間以内に迅速に推薦状を記載・アップロードして頂いたので、少しでも疑った自分を恥ずかしく思いました。

また、提出する3通の推薦状のうち、1通は現在の職場の上司(もちろん日本人です)からの推薦状の方を用いるようにしました。これは、USNHのプログラムディレクターの先生が、現在の職場の上司からの推薦状を持たない場合は、その候補者の身辺について疑念が生じる、と言っていたためです。2通しか出せないプログラムも稀にあったのですが、その場合はアメリカで働く家庭医からの推薦状がマストであったことに加えて、プログラムディレクターが書いてくれた推薦状が素晴らしいことが分かっていたので、悩んだ末に日本の上司からの推薦状を削りました。

アメリカ人医師なら大丈夫、ではない。

ここで注意しないといけないことがあります。USNHで働く指導医は皆、快く推薦状の記載を引き受けてくれますが、アメリカ人医師だからと言ってみんなが推薦状を書くのが得意という訳ではないということです。実際にスタッフとしてResidentやFellowの採用に関わったことがあり、多くの推薦状に目を通した経験のある先生であれば、良い推薦状とはどのようなものなのかが分かっていると思いますし、そうした先生に信頼関係に基づいた強い推薦状を書いて頂ければこれほど心強いものはないと思います。しかし、お願いしたアメリカ人の先生が推薦状の記載に慣れていなかった場合は、アメリカ人医師に書いてもらった推薦状でも全く中身がなかったり、むしろマイナスととらえられかねない情報を記載されてしまう可能性がありえるので注意が必要と思います。

実際にERASに推薦状をアップロードする際には、推薦状を見る権利はWaiveすべきなのですが、可能であれば内容をちらっとでも見せてもらったり、聞いたりして、どのような推薦状になっているのか探るべきだと思います(おおっぴらにはできませんが、多くの候補者はこのようなことをしていると思います。)また、推薦状のDraftを自分で作成することも、現実的にはよく行われていることだと思います。その際は、自分で強調したい点や具体的なエピソードをさりげなく散りばめることもできます。しかし、繰り返しですが、推薦状の書き方を知ったアメリカ人医師から信頼関係に基づいて記載して頂いた推薦状ほど心強いものはない、ということは強調しておきたいと思います。

自分の場合は、プログラムディレクター以外の3人の先生からDraftを要求されたので、自分でDraftを作成し、それを叩き台として、推薦状を作成して頂くようにお願いしました。作成した推薦状のdraftについては、指導医に渡す前に英文校正サービスに提出しました。先生方には、適宜自分が作ったDraftを修正していただき、アップロードして頂きました。

The Wind of Freedomさんのnoteも推薦状の準備の方法について、詳しく記載されていますので、ご参照ください。

アップロードの実際について

アップロードにはその指導医にLetter of Recommendation Portal (LoRP)(https://www.aamc.org/services/eras-for-institutions/lor-portalERAS)というサイトに登録してもらい、そのページからPDFでアップロードしてもらう必要があります。またフォーマットについては2020年度の記載のものを添付しておきます。特に推薦状の記載日の記入は忘れやすいので注意が必要と思います。

アップロードからリリースまでにかかる時間については、公式には"2週間は余裕を持つように"という記載がありますが、自分の場合は最長でも1週間以内にアップロードされました。推薦状のアップロードはMSPEと並んで、準備や処理に最も時間がかかる工程の一つです。直前にバタバタするのは精神衛生上でも良くないと思いますので、なるべく早めに取り組むことをお勧めします。参考までに、推薦状のLoRPへのアップロードからERASでのリリースまでにかかった時間は下記の通りでした。

アップロード→リリース
8月25日→8月26日
9月17日→9月22日
9月20日→9月24日
10月8日→10月13日

実際の手続きについてだっさんのブログもご参照ください。

まとめ

この記事では、レジデンシーマッチングに必須である推薦状(LOR: Letter Of Recommendation)について説明しました。自分の記載した情報が、少しでも皆さまの参考になれば幸いです。

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