円安と米国家庭医の収入

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円安がどんどん進んでいます。レジデントの収入は一人で暮らしていくには十分ですが、子供がいる家庭ではおそらくみんな貯金を切り崩して生活しているはずです。我が家も2人の育ち盛りの子供を抱えており、日本円をUSドルに変えながら生活しているので、両替え後のUSドルが明らかに少なくなってしまうのは悲しいです。

先日衝撃を受けたのですが、自分が現在レジデントとしてもらっている収入も、円安が進んだせいで、日本円に換算するとなんと1千万円を超えているのです、、、(レジデントの給料は通常各プログラムのホームページに記載されているので、誰でもその病院のレジデントの給料がどれくらいであるか調べることができます)。年収1千万円というと日本ではある程度、という評価になるかもしれないのですが、米国では全くと言っていいと思います。実際自分も4人家族で現在の収入 (繰り返しますが、日本円に換算すると1千万円は超えるのです) だと、低所得者として色々と公的なサポートを受けることができ、公立のプリスクールの授業料は全額補助されるので、非常に助かっています。

レジデンシーを卒業して、独立して家庭医として働けるようになると収入は一気に上がります。米国家庭医の収入の相場ですが、基本的には利便性の良い都市部(人気)だと安くなり、田舎やアクセスの悪いエリア(あまり人気がない)では収入は高い傾向にあります。(これは日本でも同じかと思います)。また、レジデンシープログラムの方が独立して家庭医として働くよりは給料が安い傾向にあります。自分が現在働いているエリア(ペンシルベニア州の地方中核都市)では、年収180000-200000ドル程度が相場になっているように思います。自分の友人でも年収200000ドルを一つの基準として考えている人が多いです。

米国では家庭医の収入は医師の中では最低なので、専門医の先生などはこの2-3倍を稼ぐ人もいます。自分は研修修了後も米国で残って働くという決断をしましたが、その理由の一つには、ワークライフバランスがあります。もちろん物価も高いので、たとえ指導医として働いたとしても豪華な生活ができるわけでは全くないのですが、それでも年間に4週間も休みが取れて、収入も日本で働く場合と比べて約2倍程度になるわけです。なかなかこういった話を大きな声ですることははばかられると思うのですが、米国に残る医師の中には、米国と日本での医師としての福利厚生を考えると、米国で働く日本には戻れない、と考える人も一定数いるのではないかと思います。

今後日本の経済や日本円の価値がどうなっていくかは、自分には想像もつかないのですが、ドルで稼ぐことができる力というものも近い将来大切になってくるのではないか、と無邪気に遊ぶ子供たちの未来を想像しながら考えていました。

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