臨床留学にまつわる医療保険の話

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医療保険について、基本的にはレジデントとして渡米される皆さんは、そのプログラムが属する病院に関連した比較的手厚い医療保険が安価な値段で提供されるはずなのですが、渡米の過程でいくつか注意した方がいい点があります。このような情報はインターネットになかなか落ちていないので、自分が色々と悩んで、調べたことをここではシェアしたいと思います。

渡米から研修初日までの保険は?

これはプログラムに確認してもらった方がいいと思うのですが、基本的に皆さんが職場から提供される医療保険は勤務初日から有効になるはずです。したがって生活のセットアップのために2週間前に渡米したとすると、研修が始まるまでの2週間は無保険者になります。なので可能であればこの2週間をカバーするために何らかの保険に入るのが望ましいわけです。しかし、その保険を見つけるために自分は非常に苦労しました・・・。

簡単に人の情報を信じない

自分が人に聞いたりネットで調べる過程で見つけた情報は、クレジットカードの付帯保険やトラベル保険でこの2週間をカバーすると言う意見ですが、それは基本的にはダメです。皆さんのようにアメリカでしばらく住むことを前提にして渡米する場合には、基本的にはこのような保険はカバーしません。(約款を読んでください、必ず書いてあるはずです)。自分も多くの保険会社に問い合わせましたが、「帰国予定のない方や海外に永住される方を保険の対象となる方とする保険契約はお申込みいただけません」ということで自分が加入できる保険を見つけることができませんでした。唯一日本の保険で、この2週間をカバーできる保険があります。それが、かの有名なJALUXの駐在保険です。しかし、この保険に入るためには、JALのクレジットカードが必要で、自分がこの問題に気づいた時にはもう手遅れでした(クレジットカードを発行する時間がありませんでした)。アメリカでの医療費のコストは日本の医療費の比ではありません。知り合いの友人は子供が転落で1泊2日経過観察目的でPICUに観察入院しただけで3万ドルの請求がありました。自分はこのことに渡米する直前に気づいてパニックになりました。アメリカで自分が無保険で過ごしていて、虫垂炎になったら?事故にあったら?ただでさえ準備で忙しく、ストレスがかかる状況下でこのようなことを考えて、非常に不安でした。

結局現地の保険を購入

自分は色々と探しに探した上で、最終的に米国の保険会社で急性の疾患のみカバーするJ1ビザホルダー用の短期の保険を購入しました。初めから考えれば、J1ビザで暮らしているTraineeや研究者なんて山のようにいるわけだし、そのような人々をカバーする保険は日本にはなくても、米国にないわけないんです。ただし、英語のホームページを見ながら、どれが自分が使えるものなのか探す作業は非常に時間もかかるしストレスもかかるものでした。最終的には自分は四苦八苦しながら、Insubyという会社のExchangeGuardと言う会社の保険に入りました。条件はこのような感じでした。

この会社の信頼度がどうとかは分かりませんが、複数回メールをして、状況を説明し、自分にEligibleな保険を教えてもらったところ提案された保険がこれでした。担当者からは、

"Thank you for contacting Insubuy. You may purchase the ExchangeGuard plan. This plan does satisfy all of the J visa requirements, and can be purchased for just 10 days. You are eligible for the ExchangeGuard plan as long as you are on a J-1 visa. This is a very popular plan for someone on that visa type. This plan is designed to cover you for new illnesses, injuries or accidents that manifest or after the effective date of the policy. It does not cover pre-existing conditions, routine doctors’ visits, or preventative treatments."

と問い合わせに対して返信がありました。値段も安く日単位での契約ができます。提携している医療機関のリストもあったので、検索して、自分の勤務する病院が提携していることを確認しました。自分は幸運にも結局渡米後に使う機会なかったので、本当にこの保険で有事に上手くいくのかは分かりませんでしたが、何かしら急な病気があった際のバックアップがあると思うだけで気持ちは大分マシでした。費用についてもJALUXの保険に入り1ヶ月で解約する場合と比較すると格段に安くつきます。

レジデンシーの開始後

レジデンシーの開始後は晴れてその病院が提供する保険に入ることになるのですが、ここでも、注意が必要です。基本的にアメリカの保険はMedical、Dental、Visionに分かれており、いくつかのグレードから自分にあったものを選ぶことになると思うのですが、優しい同僚やスタッフなどを見つけて、一緒に登録するのがいいと思います。それから、アメリカでは一旦保険のプランや被保険者の登録をしてしまうと1年に1回のOpen Enrollment Periodが来るまでプランや被保険者の変更ができません。なので、もし家族がいるのであれば、忘れずに家族の登録をすることも非常に大事です。保険によるカバーのシステムについても非常に煩雑なのですが、それはまたどこかで記載してみたいと思います。

自分が入った保険に入れば全て上手くいく保証はないので、自己責任でお願いします。分からなければ保険会社に直接メールや電話で連絡してみるのが一番確実だと思います。このような悩みや実は自分がしばらく無保険になることに気づいてすらいなかった人もいるのではないでしょうか?この記事が渡米の準備で苦労されている皆さまに取って少しでも役に立てば幸いです。

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