US Residency Matching① 〜インタビューのスケジュールについて〜

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筆者は2021年度に米国家庭医療レジデンシーのマッチングに参加し、合計4つのプログラムからインタビューを受けました。2021年度のマッチングについてコロナウィルス感染蔓延のため、インタビューはオンライン(Google MeetやZoom)を用いてVirtualに行われるという特殊な年でした。インタビューの内容を口外することはできませんが、インタビューのスケジュール調整や準備について、自分の経験をもとに説明していきたいと思います。

タイムスケジュールについて

2021年度はプログラムに応募者の情報が解禁になる時期が、10月21日の朝でした。なので、この日までに確実に希望するプログラムへのアプライを終えておく必要がありました。一定の時間を要する書類、すなわち推薦状、MSPEについては時間に余裕を持ってアップロードを完了するように気をつけてください。自分の場合は、約1週間前に全ての書類をアップロードしましたが、結構ギリギリになってしまい、書類の処理時間が延長した場合は10月21日までにアプライを完了できないのではないかという不安が常に頭をよぎり、非常にストレスでした。2021年度はERASのホームページをみると(https://students-residents.aamc.org/eras-tools-and-worksheets-residency-applicants/eras-2022-residency-timeline-imgs)と9月29日からプログラムがReviewを開始するようです。特にMSPEや推薦状はアップロードされるまでのタイムラグも計算し、この日までに必ず書類を揃えるようにするべきです。

2020年度は10月21日以降は順次プログラムからオファーが来るという流れでした。ERASに登録したメールアドレスか、ERASのメール板にプログラムからインタビューのオファーが届くので、指定にしたがってインタビュー日程を確定させる必要があります。

インタビュー日程の確定

インタビュー日程の確定方法は自分の場合は3パターンでした。

①直接プログラムに希望日を連絡する。

この場合プログラムが、"●月●日以降の◯曜日の◯時〜◯時の間でインタビューしているから空いている日をこのメールアドレスに送ってね!"というメールを送ってくるので、リプライします。希望の日程でインタビュー枠を確保するためにも、なるべく早くリプライするのが望ましいと思います。自分はほとんどインタビューのオファーはもらえなかったので、あまり使う機会は多くなかったのですが、数少ない返信でも、すぐに応答できるフォームを用意しておらず後悔しました。ある程度こちらから自由に指定できる場合を想定した返信テンプレートは作成しておくことをお勧めします。

②ERASのページで確定する

My ERASのinterviewというタブから自分に届いたインタビューオファーを確認し、日程を確定することができます。

③Thlamusというサイトで確定する。

Thalamusはレジデンシーマッチング用のスケジュール調整サイトです。カレンダーを用いたスケジュール調整機能に加えて、オンライン動画機能も備えています。アカウントを作成し、このページからインタビューの日程を確定することができます。自分の場合は11月にオファーをもらったプログラムがこのソフトウェアを利用していました。日程を見ていると全ての日程が既に埋まっていて、非常に落ち込んだのですが、Thalamusは希望日時を登録しておくと、インタビュー日程がキャンセルなどで空いた場合に知らせてくれる機能があります(複数日登録可能です)。自分の場合は、キャンセル待ちで数日後には、希望の日程でインタビューを入れることができました。

届かないオファーを待つ辛さ・・・

非常に恥ずかしいのですが、自分にンタビューオファーが届いたタイミングについて紹介します。
10月22日ERAS情報の解禁
10月28日プログラムAからインタビューオファー
10月29日プログラムBからインタビューオファー
11月10日プログラムCからインタビューオファー
11月24日プログラムDからインタビューオファー
以上・・・。

見ての通り、10月29日以降全くインタビューオファーは来ませんでした。プログラムBは実際に見学していて顔見知りがいるいわゆるコネのあるプログラムでした。おそらくは第一候補群として呼ばれたであろうプログラムAとプログラムBでさえ、インタビューの日程についてコンタクトを取った時には、既に11月と12月のインタビュー日程が完全に埋まっていて、1月以降しかインタビューのスロットの空きがないという事実にも衝撃を受けました。

見ての通り、自分は卒後年数のこともあり、多くのオファーをもらうことはできませんでした。特に11月10日にプログラムCからのオファーをもらった1週間後くらいには、もうこれからオファーが来ることはないだろうと確信し、これだけ努力をしても、3つしかオファーがもらえないのか・・・と非常に凹みました。厳しい戦いになるということは分かってはいましたが、辛いものは辛いです。アメリカの東海岸と日本は時差の関係で昼夜がちょうど逆転しており、オファーが来ればすぐ返信ができるように、と眠れない日々もあったのですが、そんな自分を恥ずかしく感じることもありました。

実際のスケジュールについて

当初はなるべく早くインタビューを受ける方がより印象に残る、という話を聞いていたこともあり、11月中旬から下旬ごろにスケジュールしたいと思っていました。また、本命のプログラムについては、2-3個インタビューを受けた後にスケジューリングできればベストと思っていました。

しかし、結局自分は全てのプログラムのインタビューを1月にスケジュールしました。また、その一番最初に第一希望のプログラムを受けました。これは、繰り返しですが、自分にインタビューオファーがきた時には、既に11月、12月のインタビューのスロットが全て埋まっていて、あまり日程を選べる立場になかったというネガティブな理由によるものです。しかし、結果的にはオファーが来なかったことに関するショックから気持ちを切り替えて、十分な時間を確保してインタビュー本番に向けて準備することができたので、非常によかったと思っています。また、インタビューを受けるごとに気持ちの緩みは生じると思いますので、一番初めに第一希望を受けたことも、今振り返ると悪くはなかったと思います。最高のモチベーションで、全ての準備をして望むことができました。自分の熱い気持ちも伝えることができました。何が言いたいかというと、思い通りの順番にスケジュールできなかったとしても大丈夫ということです。順番よりも実際のインタビューの準備とどれくらい自分の気持ちとパフォーマンスを当日に高めれるかの方が何倍も重要と思います。

また、オンラインでインタビューが行われることを心からありがたく感じました。実際に渡米せずとも日本にいながらインタビューを受けることができる利点は非常に大きいです。経済的にも時間的にもかなりの節約を行うことができました。基本的にインタビューは日本時間の夜〜深夜にかけておこなわれることになります。また、アメリカ時間でインタビュー前日の夜に行われるレジデントとの交流ミーティングは日本時間の朝に入ってくるはずです。なので、面接当日の勤務だけ休みを取り、朝のミーティングが終わったら、昼は仮眠をとって、夜の本番の面接に備えていました。

以上、インタビュースケジュールの実際について記載してみました。引き続き、インタビューの実際についての情報を共有していきたいと思います。

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