J2ビザホルダー(J1ビザホルダーの配偶者)の労働許可証(EAD)について①

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労働許可証(EAD)とは?

グリーンカードを保持しない医師が米国で臨床をする場合、選択肢は2つしかありません。J1ビザかH1bビザです。長くなるので、ここでは2種類のビザの違いの説明は省きますが、H1bビザの方がSTEP3に合格している必要があったり、手続きも煩雑なので、特にレジデンシーのために渡米する場合はJ1ビザを申請する人の方が多いのではないかと思います。J1ビザで渡米した場合、妻や子供などJ1ホルダーの家族は、J2ビザというビザを申請して渡米することになります。

米国では自国の労働者の雇用を守るため就労に関しては厳しい制限が存在するためJ2ホルダーは通常米国内では労働することを許可されていません。しかし、USCIS (US Citizenship and Immigration Services:米国移民局)に労働許可証(EAD: Employment Authorization Document)を申請することができ、許可がおりれば米国でも就労することが可能になります。すなわち、J2ビザホルダーも一定の手続きを踏めば米国で働くことができるのです。

J2配偶者が働くメリット

わざわざ大変な思いをして米国で働く意味があるのだろうか、と思う人もいると思うので、ここではJ2ビザホルダーが働くメリットについて考えてみます。

やはり一番のメリットは言語の上達なのではないでしょうか?自分もそうだったのですが、実際に自分で英語で責任を持って働くことで、言語力は飛躍的に向上します。なんとしても相手の言っていることを理解しないといけない、そして自分が伝えたいことを話さないといけない、という危機感が脳をフル回転させるからです。初めは英語での会話を聞いているだけでもクタクタで、ふらふらになってしまうと思うのですが、次第に慣れてきて、気づいた時には言語力は向上しているはずです。働きながら触れる英語は活きた本物の英語です。ゆっくりと手加減しながら話してくれる英会話の先生の英語とは異なります。当然辛い思いもするし、恥ずかしい思いもするのですが、毎日一生懸命格闘しているうちにいつの間にかあなたの英語は上達しているはずです。もちろん、英語力の低さや他の様々な理由で解雇される可能性もゼロではないのですが、何も失うものはないと思うので、挑戦する価値はあるのではないかと思います。もちろん、職場選びの際に知り合いのつてを辿ったりして、支援体制の厚い職場を探すことは非常に重要だと思います。

収入も大切な要素です。J1ビザは基本的には研修者用のビザなので、比較的安い給料で働いている人が多いのではないかと思います。レジデントの給料も例外ではありません。なので妻が働いて収入を得てくれるとシンプルにとても助かります。基本的に時給も高いので、週に1日や2日働くだけで、月500ドル程度は稼げるはずです。

また、実際に働くことで米国の多様性を実感できるかもしれません。職種にもよりますが、普通に自分の生活圏で生きている限りは絶対に出会わないであろう人との出会いがあるはずです。米国での多様性の振れ幅は日本と比べると桁違いです。見たこともない聞いたこともない人々や考え方に暴露されることは自分の価値観を広げてくれるとても刺激的な経験です。職場でできた友人関係や、上司との労働条件の交渉経験なども将来の財産になるのではないでしょうか?

以上の理由から、自分はJ2ビザホルダーが労働許可証(EAD)を申請して働くことは良いことだと思っています。米国に滞在しているからこその、貴重な経験ができるのではないでしょうか。

労働許可証(EAD)の申請について

労働許可証(EAD)の期限は免許証とも重なるのですが、J2ホルダーの場合はDS2019の有効期限に依存します。通常はレジデンシーで渡米した場合、DS2019の有効期限は毎年6月30日のはずなので、6月30日を跨いで働く場合には新しいDS2019が手に入り次第、労働許可証(EAD)も更新する必要が生じます。正直言うと必要な書類を準備したり、必要なフォームを記載するのはとても面倒くさいですし、そもそも申請自体にそもそも410ドルかかります。なので、DS2019の有効期限が少なくなった段階で申請するのはあまりおすすめできないかもしれません。申請のためにはForm I-765と呼ばれるフォームを記入し、他の必要書類とともにUSCISに送付する必要があります。

どのように労働許可証(EAD)の申請をするのかという具体的な内容については次の記事で説明してみたいと思います!

-米国での生活一般

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