Interviewの数を増やすためにした努力

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この記事では、少しでもインタビューの数を増やすために自分がした取り組みについて紹介します。最終的にインタビューオファーはあまりもらえなかったので、こうすればうまくいくという話ではないのですが、少しでも参考になればと思います。自分は2020年度のマッチングが最初で最後の挑戦と決めており、アンマッチだった場合は国内の大学院に進学する予定にしていました。なので、多少不恰好でもやれることは全てやろうと思い、当時の自分にできうる全てのことをやったつもりです。

厳しい現状について

まず、インタビューの現状について、正しく認識することが必要です。The wind of freedomさんのNoteの記事がやはり分かりやすいです。

https://note.com/wind_of_freedom/n/n7f1b285cc34d
https://note.com/wind_of_freedom/n/n30cb5351b5b0

やはり、10年前と比較し、米国でレジデンシーのポジションを獲得する難易度は非常に上がっています。そもそもインタビューがもらえなければ、挑戦の土俵にも乗れませんので、なんとかしてインタビューの数を増やすことが非常に重要です。卒後8年目ということでは、普通であれば足切りされてアプリケーションを見てすらもらえないということは分かっていたので、何かしらのアプローチが必要とずっと考えていました。

オンラインカンファレンスへの参加

コロナ禍で学会がオンラインになっていることは、私たち日本人にとってポジティブに働く可能性があると思いました。自分の場合も東海岸のオンラインカンファレンスに参加し、そこのレジデンシープログラム紹介のブースに顔を出しては、簡単に挨拶をして、メッセージを残すということを繰り返しました。ブースを出すプログラムはあらかじめ分かっていたので、自分が手に届きそうなプログラム(IMGがいる)に絞り7-8箇所参加しました。

米国で研修した先生や知り合いのいる先生にメールをしてもらう

自分の場合は知りうる全ての米国で働いている、あるいは働いたことのある、家庭医の先生に連絡を取りました。2020年度が最初で最後の挑戦と決めていたので、多少不恰好でもやれることは全てやろうと思ったからです。自分の場合はとにかく人伝いに連絡をとって、知っている日本の先生からプログラムのファカルティーにメールしてもらったり、そのファカルティーが知っているであろう日本の家庭医の先生をCCしながら、少しでもいいから自分のアプリケーションに目を通してもらえないか?というメールを送り続けました。10月中はかなりの量のメールを打っていたように思います。この時に大事なのは、このようなお願いは基本的にうまくいくはずがない、と考えておくことです。これまでほとんど知らないのに、急に連絡をとることで道が開けるということはほぼないとは思います。米国の場合、人を推薦するということ自体に強い責任が伴うからです。こう思っておくことで、仮にそのメールが無視されたりしても、全く凹む必要がなくなります。その中でも、親身になって話を聞いてくれて今までに1回もあったことない自分のことを気にかけてくれる先生もいます。自分の場合はこの方法がインタビューにつながることは残念ながらありませんでしたが、こういった取り組みが何かのご縁になり、道が開ける可能性はゼロパーセントではないと思います。

Nプログラム

Nプログラムは、基本的にはMt Sinai Beth Israel Hospitalの内科プログラムへの推薦を行っており、基本的には内科での渡米を志す先生方が応募されるプログラムですが、過去には他の科の先生でもプログラムからの紹介を得て、渡米された先生がいらっしゃると伺い応募しました。選考の結果、上位にランクしていただくことができ、家庭医療のプログラムのディレクター宛に推薦メールを書いていただきましたが、残念ながらインタビューにはつながりませんでした。しかしながら、内科志望ではない自分のためにも、時間を割いていただき、色々なアドバイスをいただいたことに心から感謝しています。

野口医学研究所のエクスターンシッププログラム

このエクスターンシッププログラムはハワイ大学の家庭医療クリニックで短期の研修を行うことができるため、ハワイ大学からのインタビュー獲得に何かしら寄与するのではないか、と思い申し込みました。合格をいただいたものの、そこからコロナの流行が始まったため、結果的にエクスターンシップの話は流れてしまいました。結局、エクスターンには伺えなかったため、プログラムに参加することで、どの程度、インタビューオファーをもらえる可能性が上がるか、ということについてはコメントができません。

まとめ

以上がマッチングシーズンで少しでも多くのインタビューを得るために自分が行った取り組みです。多くの時間とエネルギーを割きましたが、そのほとんどはうまくいきませんでした。でもその時間とエネルギーは自分にとっては無駄なものではなく、どのような結果が出ても胸を張って進んでいくために必要なものでした。

これは非常に残念なのですが、卒後年数が経った日本人医師がレジデンシーでの渡米を志す場合、確実にマッチする方法というものはありません。どれだけ頑張って準備をしたってアンマッチになる可能性があります。自分の場合は、上にも書きましたが、もしアンマッチだった場合は国内での別のキャリアを考えていたので、2020年度の挑戦は、人生を賭けた1回限りの勝負でした。そして、この1回限りの挑戦において、結果がどうであったとしても自分を納得させるためには『できる努力は全てした』という事実が必要でした。もし仮に残念な結果となったとしても『今の自分にやれるだけのことは全てやった』という気持ちになれれば、また違う方角を向いて前に進むことができるからです。特に『家族がいたから』という言い訳だけは絶対にしたくありませんでした。自分の子供には、自分がやりたいことがあれば、思い切って挑戦できるようになって欲しいし、将来胸を張って息子にそう伝えられるようになるためには、どんなに不恰好でもやれることは全てやる必要がありました。実際に2020年のマッチシーズンを振り返ってみて、自分は自分のできる全てのことをやり切ったと胸を張って言うことができますし、もしうまくマッチングしなかったとしても、自分の子供には『自分のようにやりたいことがあれば思い切って挑戦して』と自信を持って言うことができたと思います。

臨床留学に挑戦する皆さま、臨床留学への挑戦は楽な道ではありません。挑戦の過程で不確実かつ不安定な未来に落ち込んだり、辛くなったりすることもあると思います。それでも、あと少しの間、前を向いて全力を尽くしてください。日々全力を尽くしていれば、どこかできっと道は開けてくると信じています。皆さまの幸運を心から祈っています。

-レジデンシーマッチング, 臨床留学

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