米国レジデンシープログラムにマッチしました

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非常に長く、そして辛いことも多い挑戦でしたが、多くの人に助けられ、なんとかやり遂げることができました。2021年3月20日、自分がペンシルベニア州にある家庭医療のレジデンシープログラムにマッチしたというメールが届きました。

家庭医療の専攻医として長野県の病院で働いている最中に突然「そうだ、米国で研修しよう!」と思い立ってから5年、横須賀米海軍病院に移り、臨床留学を目指して本格的に準備を開始してから3年の月日が経過しています。良い時もあれば悪い時もありました。一言も英語が話せない、USMLEの試験も何も受かっていない状態からスタートし、一つずつ積み上げてここまで来ました。もちろん、まだ何かを成し遂げた訳ではないし、ここからまた新しいスタートなのですが、一度自分のこれまでの努力を労い、よく頑張ったと褒めてあげたい、そんな気持ちです。

もちろん、自分1人の力でこのSuccessful matchを勝ち取ることは不可能でした。親身になってアドバイスをくれた米国で家庭医として働く先輩方、挑戦することの素晴らしさを教えてくれた横須賀米海軍病院の同僚、そして全く英語が話せない自分に根気よく付き合ってくれ素晴らしいレターも書いてくれた横須賀海軍病院の指導医の先生方、快く勤務調整の相談に乗ってくれた現在の勤務先の上司と同僚の先生方、貯金を作るため外勤の相談に乗ってくれた地方の医師会の会長、大学に所属しながらも家庭医としての働き場所を提供してくれた先輩家庭医の先生方、そして、常にポジティブな言葉をかけてくれた義理の両親、休日に多々不在となることを許してくれた妻、そして、どんな時でも諦めない父親でいたいと思わせてくれた可愛い子供たち。これまでの人生は、「自分の努力で道を切り開いてきた」という矜持があったのですが、今回の挑戦について思うのは、周囲のみなさんの助けや支えがなければ、この挑戦を成功させることは間違いなく不可能だったということです。心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。

卒後9年目で渡米し、レジデントをやり直すことが今後の自分の人生でどのような意味を持つかは知る由もありません。よかったと思うこともあれば、後悔することもあるかもしれません。ただ、米国で家庭医療レジデントとして働くという経験は、誰もができる経験ではありません。なので、せっかくなので、米国での家庭医としての生活を精一杯楽しみたいです。

現在は6月下旬の渡米に向けての準備に忙殺されています。特にビザの手続きはミスを起こさないようにきちんとこなしていく必要がありますし、自分が渡米した後の家族のことや、税金のこと、事務的なことを滞りなく行うために日々地味なタスクをこなしています。また、自分が完全に英語の環境でレジデントとして本当にSurviveしていくことができるのか、渡米後の収支は本当に大丈夫か、などと不安になることも多いです。しかしながら、このような不安は誰もが多少なり感じることだ!という先輩方の意見をもらいながら気持ちを落ち着かせたりしています。

色々な感情が錯綜していますが、自分が卒後8年目のマッチング参加した経験が誰かの役に立つ可能性があるのではないかと思っています。日本にいる間に、今回の臨床留学、米国レジデンシーマッチに向けての挑戦を通じて、自分が経験したことや考えたことを、今後同じ道を志す人のために、このブログで記事にまとめて発信していくつもりです。引き続き、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。

-レジデンシーマッチング

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