横須賀米海軍病院(USNH Yokosuka)での生活について

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2018年度にJapanese Fellowとして勤務した経験をもとに、2019年春にUSNH Yokosuka Japanese Fellowship Programについての記事をアップしていましたが、ブログ記事の整理のため、このタイミングで、以前の記事を複数個に分割して記載するに至りました。この記事では、横須賀米海軍病院での普段の生活のリズムは病院の外のことについてまとめていきたいと思います。横須賀米海軍病院(USNH Yokosuka)のJapanese Fellowship Programについては、下記の記事(横須賀米海軍病院(USNH Yokosuka)の日本人インターン(Japanese Fellow)とは?)を参照ください。

生活リズムについて

基本的な勤務時間は8時から16時なのですが、日によっては15時前にはフリーになることもあります。なので、日本で医師として働いていた時のことを思うと、時間がたくさんとれます。自分はひたすら英語の勉強とアメリカの医師国家試験(USMLE)の勉強に時間を使いました。ほとんどのfellowはこの時間を使って、アプリケーションの準備をしたり、USMLEの受験勉強をしたりします。

USMLEの勉強については、自分は時間さえあれば常に問題集を解いていました。平日であっても、早朝の勉強時間も含めてコンスタントに最低6時間程度は勉強の時間を確保することができました。USMLEの試験範囲はあまりにも膨大なので、ある程度の時間を投下して集中して取り組む必要があります。そうでなければ、覚えた量と同じだけ以前覚えていたことを忘れてしまうからです。自分が1年間でUSMLEの全てのSTEPに合格し、ECFMG certificateを手にいれることができたのは、ひとえにこのゆとりあるスケジュールのおかげです。

横須賀米海軍病院(USNH Yokosuka)での勤務は、 米国臨床留学以外のキャリアプランを描く先生方にも開かれていますが、もし、あなたがJapanese Fellowとしての勤務を希望するのであれば、余った時間にやりたいことがある方がいいと思います。海軍病院での生活は初めは新しいものばかりで毎日が楽しいかもしれませんが、数ヶ月もすると慣れてきて、目新しい興奮はなくなります。そんな時に、何か目指すものや突き詰めて取り組みたいタスクがないと、手持ち無沙汰で結局腐ってしまうような気がするのです。

指導医の先生宅でのホームパーティー

指導医の先生の自宅のホームパーティーにお誘い頂くことも、複数回ありました。こういった文化もアメリカならではのように思います。ご家族がいるFellowは家族を連れて参加していました。こういう場に参加すると、診察や仕事での英会話はなんとかなっても、日常の英会話は通用しないことを思い知り、実は1人でこっそり落ち込んでいたりしました。今ではいい思い出なのですが、指導医の先生とアメリカのよく分からないボードゲームで遊んだ時に子供が言っている「Red」が全く聞き取れず泣きそうになったこともありました。

その他の基地内でのイベント

ハロウィーンパーティー、クリスマスパーティーなどイベントごとには力が入るのがアメリカらしいです。特にハロウィーンパーティーの時には指導医の先生も仮装して診療業務を行いますし(日本だと恐ろしいバッシングをくらいそうです。)、精神科の病棟がお化け屋敷に変わったりしていて驚きました。小さい子供たちが、仮装しカゴを持って「Trick or Treat!」と歩き回る光景も初めてでした。Japanese Fellowには前持って申請する必要があるのですが、基地内への日本人のエスコート権限があるので、こういった基地内のイベントには家族があれば、家族をエスコートして一緒に楽しむことができます。自分は単身赴任だったので、むしろ「自分は今遊んでいる場合ではない!」と身を引き締めていましたが、今振り返るともうちょっと基地内の生活をエンジョイしてもよかったのではないかと思うことがあります。

基地の内部について

基地の内部は基本的には、小さなアメリカの町で、必要なものはなんでも揃っています。スーパーや、ホームセンター、スターバックスにマクドナルド、ボーリング場や映画館、ジムやプールも完備しています。Japanese Fellowの身分としては、マクドナルドなどファストフード店での買い物、娯楽施設の利用などはできるのですが、スーパーやホームセンターでの買い物は権限がありません。以前は食品の買い物などもできたようですが、権限が厳しくなっているようです。基地の内部の海岸線をぐるっと走るのもとても気持ちがよかったです。

年に1回の横須賀フレンドシップデー

地元横須賀市の神輿イベントに合わせて、年に1回横須賀米海軍基地内の一部が一般人に公開されます。この時はハトバスが基地の前について、基地内が多くの観光客で賑わいます。普段は戦艦の写真を撮ることは厳禁(機密情報に当たるため)なのですが、この時ばかりは、写真撮影用のスペースが用意してあったりします。この時の様子を多くの写真と一緒に公開してくれているブログ(https://icotto.jp/presses/2593)が分かりやすいかもしれません。自分も図書館で勉強していたのですが、賑やかな音が気になり、思わず外に出てお祭り会場を練り歩いてしまいました。写真は、基地の中の大通りを神輿が通る様子です。

フレンドシップデーの基地内の様子

横須賀中央周辺について

横須賀中央駅は田舎で育った自分にとっては十分に都会でした。基本的にはなんでも揃っていて不自由することはありませんでした。どぶ板通り商店街も有名かもしれません。海軍基地のそばにある商店街です。横須賀が帝国海軍の軍港として発展した明治時代に、通りにどぶ川が流れていたのだそうですが、往来の邪魔であため、厚い鉄板でどぶ川に蓋をしたことからこのように呼ばれるようになったようです。軍服を来た若い米兵はこの商店街をよく飲み歩いています。自分は夜に外で飲み歩きたい気持ちをぐっと抑えていたのですが、晩御飯だけは駅前にあるベンガルというカレー屋さんに通っていました。この店で提供されるカレーは横須賀海軍カレー(作り方の行程に決まりがあって認可制のようです。)ではないのですが、美味しくてよく通っていました。また、本当に頑張った時だけ、基地の目の前にあるクラフトビールの店で1人で一杯やっていました。その他にも居酒屋や飲食店は充実しており、散策にはもってこいのエリアだと思います。

まとめ

現在は色々なことがコロナウィルスのせいでストップしていると思われますが、自分が当時過ごした時の病院の外にことについて、まとめてみました。目的を持って過ごすことが大事な一方で、必ずしも渡米を志す先生でなくても、米海軍病院のプログラムへの参加は、異なる文化への暴露、英語力の向上など様々なメリットがあると思います。この記事が、プログラムへのアプライを検討している若手医師の先生に少しでも役立つことを心から願っています。

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